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繁忙期にベタ甘ラブストーリーを/最近観た映画雑感

「ユー・ガット・メール」1998/米/ノーラ・エフロン

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昼は町の本屋さん VS 都会の大型書店!夜はメル友!(当人たちは気付いていません!)というベタベタのストーリーが疲れた身体にじんわり染み渡るかわいいラブストーリー。

とにかくキャスリーン(メグ・ライアン)の経営する絵本屋さんがべらぼうにかわいい!メロメロ!住みたい!こんな空間で働きたい!おさるのジョージ、メイシーちゃん、ぞうのババールetc、、好きなものだけを詰め込んだあったかなお店だなあというのが画面越しにもヒシヒシと伝わってきて、こんなお店が自分の町に合ったらついつい色んな本を手に取ってしまいそう。

故にメールの相手がキャスリーンであるということにジョー(トム・ハンクス)が先に気づいた時、現実での距離を縮めるために周到に動いていく所が気持ち悪くて引いてしまった。調子良すぎでは…いや本人たちは幸せそうなので外野は黙っときますが…

こんなにステキな本屋さんを潰されて、でもそれもしょうがないわねって、そんなのいいのー!?

 

・「ワンデイ」2011/英/ロネ・シェルフィグ 

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 ジェーン・スーさんの名著『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』の中で語られている問に、男女間の友情は成立するのか?というものがある。そこでの回答はズバリ、ノーである。なぜなら、もし、「よく気が合い・話していて楽しく・一緒にご飯を食べていて楽しい相手」を「親友」と言うのならば、それは著者にとって理想の恋人像となってしまうからである。

・・・ということをこの映画を観ていて思い出しました。 

親しくなりたい、という感情の延長にステップアップが必要ないのを気楽と取るか絕望と取るかは、結構年齢を重ねるごとに変わってくる気がする。

エマ(アン・ハサウェイ)とデクスター(ジム・スタージェス)が並んだ姿は正に美男美女。誰もがお似合いだと一目で思うような彼らは、しかし大学の卒業式の夜に一つの約束を交わす。僕たちずっと親友でいようね、と。翌年、翌々年、5年、10年、20年…変化する彼らの人生を、約束を交わした7/15だけを切り取って描く物語の構成が見事。

最初の、卒業式後にたむろしてるシーンの感じ、わかるな~って一番印象的で好きだった。と思ったらなななんとロネ・シェルフィグ監督…!『17歳の肖像』!!!!!ギャーめっちゃ好きなやつ!!!!瑞々しくてちょっぴりタバコの匂いがする感じの思春期の女の子の描き方が抜群に好みだ。

貴様いつまで女子でいるつもりだ問題

貴様いつまで女子でいるつもりだ問題

 

 

 

イルマーレ2006/米/アレハンドロ・アグレスティ

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彼女が手放した家に住んだのは2年前に生きる男だった。

2004年のケイト(サンドラ・ブロック)と2006年のアレックス(キアヌ・リーブス)が、時を超えて手紙を届けるポストを通しての文通で親しくなってゆく話。

この二人を隔てる間が「2年」という所がミソで、絶対会えなくもない、すぐに会えるわけでもない、という絶妙な時間だなあと思った。

後から知ったのですが、どうやら2000年上映された韓国映画のリメイクとのことでした。 

 

「エレファント」2003/米/ガス・ヴァン・サント

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「キスも知らない17歳が銃の撃ち方は知っている」キャッチコピーが最強のやつ

ピアノソナタ14番「月光」、エリーゼのために

が、この映画を観終わった後に聞くともつれるような感情を巻き起こされてものすごくどんよりした気持ちを作る曲となる。

同監督では『永遠の僕たち』だけは鑑賞済で、あー言われてみれば痛々しい美しさの切り取り方が雰囲気一緒かもなあと思った。画面が全部かっこいい、そしてDVDジャケットが全部かっこいいやつだ!特に「パラノイドパーク」は、手に取っては棚に戻しては…をいつもしてるのでかなり見覚えがあるぞ。あのジャケット何度見ても生田斗真さん!?って思っちゃうんだよね。

これも縁だし借りてみようかな…と思うけど、でもどれもこんな調子なのだとしたら、そ、それはちょっと体力ある時にしようかな

「明日死ぬんだ。キスしたこともないのに」「してみる?」 

 

マイ・ブルーベリー・ナイツ2007/香・仏/ウォン・カーウァイ

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エリザベス(ノラ・ジョーンズ)とジェレミー(ジュード・ロウ)のなんてことない恋愛映画…ではない。女賭博師レスリー(ナタリー・ポートマン)が出てきてから、あれ、これ、ジュード・ロウいらないんじゃないの?と思うほど物語の雰囲気が一転してびっくりした。「見ると恋がしたくなる♡」みたいな触れ込みで売るの詐欺だろこれ!!

彼氏に浮気されて捨てられた夜、なんでフラれちゃったのかなあってカウンターで愚図っていると「ごらん、1日の終わりにショーケースに残るブルーベリーケーキを。ショートケーキが売れ残るなんてことはまずないんだ。でも、そんなことはブルーベリーケーキがまずいだなんて理由にはならないよ」って言ってくれるジュードのいるカフェはどこにありますか

 カウンターに持て余すように長い脚を乗せて彼女がやって来る姿を待つ所もとってもかわいい。「今日は遅かったね?」ってフランクを装って話しかけるも「いや別にそういうつもりで来てたわけじゃ…」ってこれまたフランクに距離を置かれちゃうションボリ笑顔もキュンしかない。ただ、そういう映画ではない。そういう映画ではない。(二度言う)

 

ダンサー・イン・ザ・ダーク2000/典/ラース・フォン・トリーア

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セルマ(ビョーク)の空想が鮮やかに世界を彩るほど、灰色がかったリアルな描写が引き立っていた。週末が楽しいほど月曜日が淀んで見える気持ちに例えたい。

もうとにかくド欝!救いなし!と評判をきいていたから覚悟していたものの、辛くなった辺りでミュージカルシーンが挟まれるので、観ている最中は意外とそうでもないかも、という印象だった。けど、鑑賞後にお風呂で目を瞑ったり、ふと部屋に1人になった時などに陰惨な映像が頭をよぎり背後を振り返れなくなることに気づいた。本当の地獄の門は、それと分かるようには開かれていなくて、日常に生活にふとある隙間に滑りこむように足を踏み入れてしまうものなのかもしれない。

 

・「ノッティングヒルの恋人」1999/米/ロジャー・ミッシェル

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な、納得いかね~~~ の連発だった。

「ユーガット~」のオマージュ?リスペクト?男女逆転版。映像の感じは軽やかで素敵だった。しかしアンジェリーナ・ジョリー演じるヒロインのアンの身勝手さに全く共感できず・・・

別にウィリアム・タッカー(ヒュー・グラント)が旅行書で働いてる設定である必要ないのと同じくらい、大スターアンが一般男性ウィリアムをわざわざ選ぶ必然性が見出だせないように感じた。二人の関係ははてな?だったけど、それに合わせて周囲の人間が態度をコロコロ変えるのがおもしろかった。芸能人という色眼鏡で見て、きゃあきゃあ騒いだと思ったら、勝手に期待して調子が悪くなったらすぐ手のひら返しっていうの、わかるなあ、って思っちゃうのが痛い。