2014年 面白かったマンガメモ
何読んだのか忘れちゃうので記録に残しておくと後からおもしろいのではと思ってメモです。今年出た本ではなくて、読んだ本。
これだけはやろうと思って紅白見ながら2014年駆け込み。ランク順は無理でした。
ロボットものがあんまり得意じゃなくて…とか、まず「機動警察」っていう字の並びがゴツイ…とか、名前だけは知っていたものの何となく敬遠していたのを本当に後悔している。先入観も偏見も本当良くないなあ。
ゆうき先生の線の美しさがうっとりする気持ちよさで、特に野明ちゃんの大きな瞳の中の四角いきらきらはずっと見つめていたいくらいかわいい。少女マンガ大好き人間なので、遊馬と野明の関係がとっても大好きで大好きで、縁あって文庫版を全巻まとめて借りる機会があって、それから自分でサンデーコミックス版を買い直したのですが、表紙のカラーイラストが実に最っ高で入手してウッヒョー!と転げまわりました。
13巻のなんとも言えない距離感も、22巻のお仕事モードの信頼関係万全な感じもたまらないですね。ありがとうございます。
お話や世界観がしっかりしてるのは勿論、とにかくキャラ物としてこんなに面白い話だとは予想してなかったので、全方位にオススメしていきたい。今更…という気も激しくしますが、意外と自分と同世代だと読んでる人少ない気がするような
アニメはOVA版と劇場1だけ見て、まだ名高い劇パト2まで行きつけてないので早く観よう。
買ったっきりずっと積んでて、思い立って1から最終巻までまとめて読み通したらめちゃめちゃ面白かったです。
イケてない高校生活を送った私もまるでリア充だったかのように錯覚してしまう程、読んでいるこちら側を青春時代に引っ張り込む力がすごい。卒業する最終巻が切なくて涙が出たのは、雫たちみんながバラバラになってしまうことはもちろん、それ以上に「彼らはこれからの人生でもっともっと楽しい関係や思い出を積み重ねていけるんだろうなあ」って思ったからだった。唯一無二の素晴らしさを何度も作り上げていって、ちゃんと今その時を楽しんでいくことで、過去は「楽しかったね」の思い出の箱にしまえる子たちばかり。
・榎本ナリコ『時間の歩き方』
タイムスリップ能力を持つ女子高生、杉田果子(この名前だけでもうゾクゾクする!)は、事故で亡くした片想いの相手を能力を使って生き返らせようと試みるが…。
時をかける少女、或いはカゲロウデイズ、まどか☆マギカ、涼宮ハルヒ…はいはい、またこのパターンね、って思った人にこそむしろそっと渡したい。王道SFであることを厭わない、真っ直ぐに真ん中をゆく丁寧な作り。暖かな画風から染み出す硬質な設定。全4巻でミニマルにまとめきってくるところも完璧です。完璧なんだけどもう少し長く読めると思っていたから、ああ、終わってしまった。寂しい。
・古舘春一『ハイキュー!!』
やっぱり今年はこれは外せない!売れてるマンガはおもしろい!
出かけた帰りの電車で読み始めて止まらなくて明かりを求めて夜中ガソリンスタンドの電気の下で読んだ青城戦よ。売れてるマンガにタイムリーにハマると何が楽しいって熱量の高いファンの声がバンバン流れてくるのが最高に楽しいですね。
アニメでスキマスイッチが主題歌に抜擢されたのも仰天ニュースでした。
周りが軒並みスガさんにおちていくのを横目に見つつ私はノヤさんに心掴まれています。
・大今良時『聲の形』
知る人ぞ知る…と思っているうちに「このマンガがすごい!」1位に選ばれてあれよあれよという間に有名になってしまってちょっぴり寂しい。
自分の胸のうちにひっそりおさめておきたいんだけど、でも人にオススメして「読んで!」と言いたくなる複雑な作品。
まさか2014年になって「今年読んだ本」にNARUTOを入れる…勇気…
映画を見に行くために友人の家で合宿して読み通しました。愛は呪いと紙一重だなあと強く感じた
なんで少年マンガの兄はみんな死んでしまうんだ…
あと2014年はヤマシタトモコさんや雲田はるこさんなど一般誌で活躍されてる方の作品を過去に追っていって、まあ気付けばなし崩し的にBL解禁になっていたので、もういいやと思って割りと垣根なく買っている。新たなジャンルは掘り甲斐があって楽しいったらないですね…。知らないところに良いものたくさんある。
・井戸ぎほう『やさしくおしえて』
そんな中でも一番好きだったのがこれ。二組の兄弟の関係を描いたお話。
私は基本的に買った本は一回しか読まないタイプの読み方で、なのにこの「やさしくおしえて」は読み終わった瞬間に頭に戻って読み返してしまってしかもそれをもう一周してしまって、なんならまだずっと枕元に置いてある…。
嫉妬や悩みや傲慢さや、そういったぐるぐるする感情を表す時のちょっとした言葉の選び方の繊細さがひとつひとつ印象的で、ものすごくスッと気持ちが入ってくる。
もう言葉が足りないので一番好きなコマの絵を…。配置、ベタの乗せ方、丸い所四角い所の線の感じ、ペンの強弱、全部かっこよすぎる。ポストカードにしたい。 はあ。
・かわかみじゅんこ『いたいけざかり』
開いて数ページで圧倒的センスに引き込まれる。「冗談じゃないっすよ~~」の冗談じゃなさが伝わってくる感じよ…!
一編一編が濃いのでまとめて全部読もうとすると息切れする。じっくり日をかけて読んだ。
・新井煮干し子『ふしぎなともだち』
こんな関係を築きたい2014 No.1
・朝田ねむい『兄の忠告』
また…兄弟ものだね…。 この辺りで自分が身内贔屓というか兄弟姉妹ものにすこぶる弱いんだなということに気付いてきます。BLに嫌悪がなければマンガ読みの人には是非手に取ってみてほしい朝田ねむい先生。短編集なのですがどれも捻り方がズバ抜けていてマンガとしての創作の醍醐味を味わうことが出来る一冊だと思います。コミティアクロニクルとかよだれ垂らして読んでるタイプのあなたにオススメです。
・高松美咲『アメコヒメ』
アメコヒメ (POE BACKS/Beコミックス) (ポーバックス Be comics)
- 作者: 高松美咲
- 出版社/メーカー: ふゅーじょんぷろだくと
- 発売日: 2013/12/24
- メディア: コミック
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何故かBLコーナーで出会いましたが、夢のように理想のボーイミーツガールですよ。
失うために手に入れる。持ってないを持っているだなんてキレイなことは言えないけど、尊さを感じるが故にどうしても近づけない相手対して、それぞれが懸命にかけるべき言葉を探す姿が魅力的です。
そしてこの本、ブックデザインが痺れるほどキマってるんだ本当…。表紙でピンと来たら手に取って表紙めくってカバー剥いてほしいそして呻いて欲しい絶対に
装丁は野本理香さん、最近だと『魔法少女俺』も手がけられてたらしい。これまた最高のお仕事…覚えておこう。
あと、最近は色々新しいシリーズをポン、と店頭でインスピレーション買いすることが増えてきた。 そういう買い方だと短篇集や読み切りの単巻刊行ものが手に取りやすくて、その中から良かったものをいくつか。
・堤谷菜央『人生は二日だけ』
最近多いタッチ…と言ってしまえば身も蓋もない、80年代テイスト。だがそれが良い。
「ライトナイトライト」の痛切さに共感して刺された。この表現力が羨ましい。
・米代恭『僕は犬』
一作目があんまりピンと来なかった米代さん、これはすっごく好きだった!
「正しい」ことだけしていたい実直青年が、弁論の女王のような少女の言葉遊びに掌で転がされて、培ってきた「正しい」価値観を容赦なく叩きのめされる展開はちょっとしたホラーだ。しかしその容赦なさっぷりは、汚さ故に自分の中でも目を逸らしてしまう逃げたい気持ちに、断然としたラベルを貼り思考を断罪してもらう快感でもある。青年と少女、ペットと飼い主、どちらが救ってどちらが救われたのか、その結末は最後まで読まないとわからない。
好きっていうのが憚られるんだけど、でもやっぱり好き。あとこの本の表紙は、帯のエッセンスの抜き出し方は、こうじゃない…!そこじゃないでしょ…!と激しく憤っている。攻め過ぎて受けての間口をせばめてるよお(実際自分も手に取るのちょっと躊躇ったので言う)
ていうか今調べたら公式サイトで全話無料で読める(!!)知らなかった…こうなるともう書籍購入は本当にお布施の時代なんだなあ
そして2014年総決算
ごめんなさい冒頭で順不同と言いましたが、これだけは別格だ。オールタイムマイベストだ。
日常ちょっぴりSF展開とか超絶好きすぎるのですが、超絶好き過ぎる作品でこんな超絶好みの展開を見せてもらって最後の最後まで本当に最高すぎた。ミドリちゃんと瞬ちゃんの関係も兄妹萌え野郎としては狂喜乱舞ものでしたし、モミジちゃんの告白の余白も、栄介くんの幸せになれないトリックスター感も。
最終回の掲載号だけ記念にとflowers本誌を買って読んだのですが、大きい画面で読むだけで迫力がこんなにも違うというを実感したのも衝撃だった。
鼻水すすって嗚咽を漏らして読んだマンガなんて久しぶりだっていうか初めてかもしれない。ほんと~~~に好きで、古本屋で見かける度に「私が保護しなければ」という謎の使命感に追われて抱え込みそうになるので本当に危険。
〜◯年後〜で描かれる結婚生活や未来、なぜ多種多様な作品様々なドラマを経て帰着するところがどれもこれも画一的な終着点なのだろう…とげんなりした気持ちになるので好きじゃなくて、そういう観点から見ても完璧すぎる幕引きで、理想の最終回でした。でもそこでぶん投げるわけじゃなくて、限定版にだけ付いてくる画集の最後のページでこっそり…っていうその慎ましさもほんっとたまらない。押し付けがましさがないが故に広がる空間、余白を感じる楽しさ、ていうか妄想、ていうか、ああ、本当にこの作品に出会えて良かったなあ。終わってしまってどうしようもなく寂しい、と終わらなければこの最終回に出会えなかった、の贅沢過ぎる二律背反に苦しむ幸せ。
もうなにがなんだかまとまらなくなってまいりましたが、来年は古典・名作系を探っていけたらなあと思っています。良いお年を。